- 子どもへの支援
- てらこや子ども食堂
2016年4月からさまざまな困難を抱える子どもたちとその家族を対象に、温かな食事とみんなで食べる楽しさを経験し、その中で信頼関係を築きながら悩んでいることを話す空間ということで、てらこや子ども食堂を毎月第2・4土曜日に開催しています。数人のボランティアを中心に17時から調理を始め、19時には食事ができるようにしています。食後は子どもたちと一緒に遊んだり、お母さんと話をしたり20時半頃まで活動しています。 - フードパントリー
もったいない、環境面で捨てることへの罪悪感、食品ロスに対してSDGsの考え(誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現をめざす)から、まだ使える不用品(食料品・物品)を集め、必要としている人たちに届けることをしています。 - ヤングケアラー
ケアが必要な家族の様々なケアを担う18歳以下のヤングケアラー。勉強の時間が取れない、十分な睡眠が取れない、友達と遊べないなど困っていても現状を受け入れ、当たり前という感覚で、他に頼っていいことを知らない。また、頼っても対応してもらえるとも思っていないのが現状です。全国的な調査が行われ、社会的な課題として、思いを話せる場を本人や家族、その周りの人たちに伝えていき、サポート体制を作っていきます - 不登校
何らかの心理的、身体的、社会的要因などさまざまな理由で、登校したくてもできない不登校児童生徒を応援する「教育機会確保法」が2017年12月に施行されました。児童生徒の個々の事情に応じ、不登校は問題行動ではなく休むことや学校だけではなくそれ以外の学ぶ場所(フリースクール等)を認め、すべての児童生徒が安心して学べることを目的としています。学校以外の学びの場として、行政の適応指導教室や民間のフリースクールがあります。しかし、そこにさえも行くことができず、自宅で一日の大半を過ごす児童生徒への支援のため、重要な成長時期に引きこもりにならないよう、教育委員会と連携し、フリースクールへの理解や周知の情報発信をしています。 - 医療的ケア児
人工呼吸器・たんの吸引・経管栄養など医療的ケアを日常的に必要とする児童は小学校入学時に特別支援学校入学が決定した後、通学または自宅への訪問教育の選択があります。「学校に通い他の子どもたちと同じように多くの経験をさせてあげたい」など、どちらの選択が良いかギリギリまで悩み、通学を諦めざるを得なかったこともありました。決定過程において、通学希望の場合は児童へのできる限りの可能性を見据えて、保護者と学校、関係機関を交え十分な話し合いの場を提案しました。 - 生理の貧困
経済的困窮、虐待やネグレクト、生理への無理解、知識不足などで、生理用品が利用できない状況を指します。貧困や衛生上の問題だけではなく、心身の健康や人間の尊厳を持って生きる権利を奪うことになる社会問題、人権問題になります。そのため、公共施設や学校のトイレに生理用品を常備するよう要望し実現しました。 - にんしんSOS
小山市で女子高校生がショッピングモールのトイレで出産後遺棄した悲惨な事件もあり、予期しない妊娠に悩む女性の相談窓口「にんしんSOS」設置の必要性を訴え続け、令和3年9月に県議会で可決され11月から開設されました。これまで関東1都6県で相談窓口がなかったのは栃木県だけでした。県助産師協会に委託し、週2回電話での相談、メール相談は常時受付をして、一人で悩むことのないよう医療機関やとちぎ性暴力被害者支援センターなどの関係機関と連携し、若年女性の支援をしていきます。 - DV被害者支援
さまざまな困難を抱えた女性に対する支援として婦人保護事業があります。しかし、この事業は1956(昭和31)年に制定され売春経歴を持つ女性や、売春を行う恐れのある女子の補導や保護・更生を目的とした「売春防止法」に基づいています。しかしその後、DVやストーカー被害などが対象に加わりDV防止法が制定されましたが、根拠法が売春防止法のため女性だけが処罰や保護・更生など「指導や管理の対象」のままで、現状に合わないと指摘されました。売春防止法に基づく支援ではなく、女性の人権に加え女性であることによりさまざまな困難に直面することが多いため、新たな環境で女性が自立して生活できるための支援が必要です。国会において令和6年度からの法改正が議論されています。 - 香料による健康被害
香りの感じ方は個人差があり、香りによって頭痛・めまい・吐き気・倦怠感・集中力低下などが起きる人がいます。香料付きの柔軟剤・洗剤・制汗剤・文房具などの人工香料による化学物質過敏症を発症し、日常生活に支障を及ぼす深刻なものにもなっています。人が集まる公共施設や学校においても香料使用への配慮を呼びかけるため、化学物質過敏症に関するポスターにより広く周知し、県作成のポスターを学校に配布掲示となりました。 - カーボンニュートラル
地球温暖化による自然災害が発生し、気候変動の影響は深刻化していくと予測されています。地球温暖化を防ぐには二酸化炭素の排出抑制・吸収が必要です。パリ協定では産業革命以前と比較して平均気温上昇を1.5℃に抑える目標を掲げ、2050年までにカーボンニュートラルを実現するとしています。そのため栃木県ではグリーン社会実現特別委員会を設置し、委員会メンバーとして2050年とちぎカーボンニュートラル実現に向けたロードマップの作成に携わりました。二酸化炭素排出を2030年には2013年の50%に削減、2050年には実質0に目標を掲げ、実現に向けて産業・交通・業務・家庭・県庁とオールとちぎで率先して、県民の皆さまに広く協力を求めていきます。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、やむを得ず一時期食堂を休みにすることもありますが、配食という形で各家庭にお弁当を届け支援が止まらないよう活動を続けています。
医療的ケア児を子育てする家族の負担を軽減し、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともにその家族の離職を防止する目的で、2021年9月医療的ケア児支援法が施行となりました。栃木県では2022年度医療的ケア児支援センターを設置し、専門職員がワンストップで相談を受け、必要な制度や窓口につなげることを開始します。
女性の自立
宇都宮市では、済生会宇都宮病院が「宇都宮市つながりサポート女性支援事業」として、生理用品を様々な理由で買えない方にお渡ししたり、さまざまな相談窓口として54団体に協力を得ています。山田事務所もその一つで、お渡しできる生理用品を常備しています。
県に対しては、被害女性の支援充実には支援する側の婦人相談員の専門性とジェンダーの視点を十分持ち、被害者の人権尊重はもとより相談員の雇用の正規化・賃金の見直し・二次受傷防止等の心理的ケアを求め、安心して継続支援のできる環境づくりを提案しています。さらに、寄付や事業委託で運営する長年の経験を持つ民間団体の支援は大きな役割を果たしているため、財政上の支援を強く求めています。
また、DV被害者が一時保護から子どもと一緒に自立の道への第一歩を踏み出すための「母子生活支援施設(旧母子寮)」が栃木県には3施設ありましたが、足利市の1施設が令和4年4月で廃止、那須烏山市の施設も築70年を過ぎ老朽化が進んでいます。一方、宇都宮市の施設は新しく建て替えられ利用希望世帯が多い状況です。主に利用者は県外の方が多く、栃木県の方は安全面を考慮して県外の母子生活支援施設を利用します。広域的支援の必要性から栃木県の母子生活支援施設のあり方を検討するよう県に働きかけています。
環境を守る